DISTANCE~求め合うには遠すぎて~
access 1stAlubm FAST ACCESS 5曲目
PALE BLUE RAINとは違う色の一曲。
前奏で切ないギターが哀しく鳴るところが粋です。
窓の外で降りしきる雨の情景が指を絡ませて微笑むところまで
貴水さんの歌詞はいつもストーリーの流れ方(カメラ的な視点)が
上手くて凄いなと感じます。
歌詞にある、
”細い雨みつめながら” が次の音では ”微笑む優しさ” となって
外は冷たい雨が降り、でもそれを見ている隣りには微笑む優しさを描くことで温度を表現しつつも、そこを綺麗なシーンの1ページとして提示する。
この一連の流れが、ギターの音と共に時に跳ねるような
浅倉さんのシンセの雨音と共に、
貴水さんの歌声と歌詞で純粋に表現されているところに
accessの贈る曲が情景を共鳴しながら、作り手側(+音楽のセッション)と
受け手側の両方に共感し寄り添う丁寧さが感じられるような気がします。
最後のサビ手前からシンセのピアノで入る間奏がまた良い。
PALE BLUE RAINと対照的な冷たい雨で想いが、窓をつたう水滴のように流れるところに温度差があって、1つのアルバムでこんなに色々な姿を魅せられてたまらなくなります。
しとしとと降る雨が終始シンセの音で感じられて、ドラムの一定のリズムと途切れながらぽつぽつと歌われる歌と、時折切なく鳴くギターそれぞれの音色が雨に心が濡れるような切なさがたまらない曲です。また、このドラムの反響の音が地面に一定のリズムで落ちる水が跳ね返るような響きを持っていてとても印象深いです。
この曲の題名にもある、DISTANCEという距離が物理や時間、精神なのかは聞く人それぞれに任せた曲という感じがしてそこが良い曲だなと思います。