cioccosuke’s diary

浅倉大介さん中心に好きな曲について感想を書くブログです。

FREEDOM

FREEDOMという作品に関し、色々無茶苦茶ありえない事が盛りだくさんで面白いです…。苦しいけど、待ち焦がれた劇場版ガンダムSEEDのはずが、実際に目の前に出された瞬間から耐えきれずに、感情がぐるぐるでした。腑に落ちている現実と見ることがなかった幻の絶望が凄いので、もうずっと抱えていくか…という気持ちがあります。前記事にてまた別の機会に、とはいったものの感想は書きしたためており…変わらないうちに覚え書きとして残しておこうと思い立ったのでこうして残しておこうと思います。

 劇場版ガンダムSEED FREEDOMの主題の制作を西川貴教witht.komuroが担当するという2023年11月19日の発表は情報解禁日のニュースで知りました。
2023年冒頭にYouTubeにてA面B面でアーティストを掘下げるインタビュー企画なるものがあり、ツアー中にもかかわらずソロ名義で出演し、そのあたりからだいぶ予想していた気がします。確か、その前から歴史をなぞるように曲が披露されたり、ガンダム関連の曲がバンダイ関連のイベントで何度も披露されるなど思い返せば要素は色々あった気がします。(後から知った事として、ツアーの写真を見て選挙カーに書いてある”西川貴教”という文字を見てあ~と何となく”妄想上で”納得しました。)

発表の11月19日からリリース後1週間まで、展開されたFREEDOM(曲)の制作過程をプロモーションと共に記事で読ませてもらいました。
一言で言うと、そりゃ…西川さん喜ぶなぁ…でした。
具体的に言うと、
①西川さんが感覚的にテイストとして気に入ってる自分の声の音程と小室さんが歌わせたい音域が一致した。
②歌唱の主線メロディーから想像できない伴奏の共鳴。それでいて歌唱を一度聴くと、その伴奏の上に”声”の存在を意識できる楽しさ。
とくに、冒頭の叫ぶFREEDOM×2回は最高です。
③激しくうねり自在に変化する曲に対して、心を凪のような詩で寄り添う小室さんの歌詞。これが一致して聞けるのは作者が同じだから必然的に合うのかもしれないと思いました。
④激しくうねる部分に関してはおそらく、今回BEYOND THE TIMEで招集されたというギター鳥山さんドラムの山木さんからなる作曲陣の技が、西川貴教というアーティストに対して応え、そこに小室哲哉西川貴教も望んで応えていることがこの曲の良さに繋がっているのではないかな?と個人的に感じました。
これらの要素の結果、この曲の風味が西川貴教というアーティストに対しての音楽が=この作品が”今この世界を生きている”という生々しさに繋がっていて。そういった点に関して西川さんが求める音楽って多分これなんだなというメッセージを個人的に受けた様な気がしました。
特にFREEDOMのTV披露は数回しかチェックできていないのですが、徐々に音が増えるよう(ベールを脱いでいく)な印象がありました。

※だいぶ私的に妄想込みで思ったことは、このFREEDOMの制作について、逆シャアにてBEYOND THE TIMEの制作の際に、富野監督(ガンダムの監督)が作曲の小室さんに対して何度もリテイク?したという話をどこかで読んだ覚えがあり。多分、富野さんが言うリテイクとはおそらく(劇中の音楽がクラシックなので全体像として)生っぽさが足りません!みたいな感じだったのかな??と勝手な解釈妄想をしました。富野監督は個人的に尊敬しているのですが、アニメ作品を舞台や映像芸術としての知識や感覚から土台を大切にしつつも、物語における脚本や心情、そこにある作品を通して現実で世界を見て生きていくことについてのメッセージも重要とするふしがあります。とにかく、職人気質を感じさせてくれるときに厳しく(怖くて?)チャーミングな方だと思っています。

そうした現場でのやりとりが結果として、作品に対して”生物”なんだよ。みたいなものを生んでいるのではないかと私は思っていて。BEYOND THE TIME~メビウスの宇宙を越えて~は私もかなり好きです。映画の中の物語とEND入りの流れ、そして最後の宇都宮さんの歌唱のところで宇宙世紀を舞台にした物語が一旦幕を閉じるところまでタイミングが物凄くて私はあのENDがガンダム史上1番に大好きです。

そういったことから、小室さんの曲の制作においてデモ版からはじまり他者の意見や技術を柔軟に取り入れて曲を育てて創作するスタイルだと自在に対応できるところが凄いところなんじゃないか?もちろん、根底にあるのは音楽に対する感性なのではないかと私は思っていて。毎回作品を聞くたびにとても感激して楽しみです。

FREEDOMの低い歌唱に関しては個人的には西川さんのバラード大好き侍なので……”そしてそこに君が 必ず待っている”というところがこの作品で一番好きで、正直、心を震わせてくれます。西川さんの歌唱の凄さと強さに感謝でした。また、サビのところの詰め込み(英単語有り)歌詞は初見のときには大変失礼ながら、若干機械っぽさを感じて疑問符が浮かんだのですが、聞き込むうちにかなりクセになりました。歌詞が気持を捏ね捏ねしながら聴き込むと…小室さんがこの作品に込めた想いや情景が見えてくる気がして、これは……と色々思う事があるのですが、色々凄いな…と思います。

個人的な見解(妄想)として、FREEDOMを通して西川貴教が歌にのせたい事って多分直球の伝えたい感情(心)であって。だからこそ、他者の映像視覚的(MV)な物語を掻き立てることに特化したT.M.Revolutionに対して窮屈さというかいま一つだったのはそこだったのかもな…と感じた瞬間でした。
ただ、いま一つといってもそれは複数の要素が重なって、今の状態であって。曲に対してはきちんと向き合ってVocalとして全力なのでそれは、アーティスト西川貴教T.M.Revolutionの良い所としてもっと西川さんにはりきみすぎずにそれも表現できる表現力に自信を持ってほしいと、個人的に強く願っています。(伝わらない)

FREEDOM…夢のような饗宴なわけで。私の私的感情でぐるぐるしたのですが、とんでもない作品が出てきて驚くと同時に。こんな複雑な気持ちでTK曲聞かなきゃいけなくなったんです?(目をそらしながら)みたいな…心が複雑です。ですが、個人的に作り手側は、ときにはこんな面倒なオタクの気持ちは無視して良いとも少しだけ思っていて、とにかく作り手が今だから届けたいものを届けられたら、それは作品にとって良い事だとも感じていて、FREEDOMを届けてくれてありがとうの気持ちでいっぱいです。(上手く文章にできないのですが、作り手と受け手側として一瞬のキャッチボールはしたい気はするけど、ファン側の意見に近寄らないで欲しい気持ちも同時にあるといいますか。)リアタイで作品を聞くのはやはりいつになっても楽しいものでした。