cioccosuke’s diary

浅倉大介さん中心に好きな曲について感想を書くブログです。

Burnin'X'mas

Burnin'X'mas 

T.M.Revolution 10th シングル。1998年10月28日発売。

 

恋に遊ぶ 聖なる夜にもな唄です。

個人的に、T.M.Revolutionの魅力といえば、恋、人間、愛、夢、それらを西川さんがボーカリストとして歌い上げるところにあると思っています。

鐘の音から始まる カッコいいクリスマスソング。

歌詞はT.M.Revolutionでお馴染みの井上秋緒さん。

この曲の好きな所として何がこんなに刺さるのかと言えば、いたるところに鐘の音や残響音が雪のように終始降り注いで冬の様子を魅せてくるんですが、それでいて”恋に遊ぶ”の直前から入る無音&声が特別にかっこいいです。怒涛の勢いの展開と無音で強調される”恋に遊ぶ”の歌声。当時のTV出演等で、この”声”が剣のかたちをしたマイクで歌われるという姿が最高に研ぎ澄まされていて個人的には今でもガッツポーズ決めたいぐらいです。声が武器!!!

さて、10枚目のこの曲では歌詞も巧みに遊びつつ、クリスマスソングでどこまでやれるのか挑戦しているような気配もします。

 

君の行動パターン意味不明

だとういう1番に対して2番は

打算計算しつつ距離詰める

 

という駆け引きシーンを展開しつつサビの前に

 

雪に先駆けて ボクと こじれて

 

鐘が鳴り響く 胸の遠くで 

 

という歌詞があり、物凄い勢いで感覚によびかけて記憶に残ります。ここでは、音の雰囲気が不安を抱えながら、しっかりとターンターンターンと積もっていくところが綺麗です。そんな中ギュゥーンと鳴り響く葛城さんのギターも堪りません。(もしかしなくとも、Burnin'X'masのギターは違うかもしれません…アルバムと同じであれば大橋勇武さん2022/10/28/訂正)

そんな中で勢いがありそれでいて、絶妙に曖昧めいているのが”鐘”。冒頭で鐘の音を聞いているので、刷り込まれている節があるんですが。歌詞を分解して部分部分で読むと(クリスマスの街に溢れる)様々な恋愛模様にも読み取れるし、全体を通せば全く違う恋の形も見えてくる。音と共に鳴り響く鐘の音がどんな意味の鐘なのかは、時に変化するような側面も窺えます。今回感想を書くにあたって、あらためて手書きで歌詞を書きだしてみたんですが、色々発見があって楽しかったです。

 

ラストサビ前になると、

”ただずっと キミを見ていた~そろそろ限界”

シングルはこの歌詞が心の声みたいなかたちで収録されていて回想なのかな?とか葛藤なのかな?と色々思わせるところがあって音に重さがあります。(”キャンドルも十字架も”からまた声が軸に戻る。アルバム版だとここの変化は無く、西川さんの歌声が綺麗に響いていてまた違った味があります。)あらためて落ち着いて聞くと、シングル盤だと若干声がかすれているのも気になります。シングル盤では西川さんの声を軸に音が景色のように展開しているように聞こえるので、それはそれで、雪の中叫ぶみたいなカッコ良さと勢いがあって好きです。アルバム盤は音の雰囲気からも違っていて、開け放たれた劇場のような空間の広さを感じます。

 

恋の絡まり方はこういうものだったりするのかな?というこの曲はそれぞれに訴えてくるように唄い奏でられているところが大好きです。

 

何かが終わって弾ける

このあたりもどうという意味にも取れるところがなんとも上手い。

そいうところも含めて好きです。Burnin'X'mas。

 

この曲では、これでもか!ってぐらいに音が絞られつつも、灯りのようにきらめいていて、それでいて西川さんの声で文字通り記憶に焼き付ける勢いもあり。聞いていて、たまらないところで静寂、無音が練り込まれていて刺激的です。

なんというか、恋に恰好をつけることがあるし、相手の考えていることが判らない。そこにドラマを感じるし実際そうかもしれない。一方では意味不明な行動のどこかには、打算も計算もあるだろう。という隠された想いがあったり、ある意味次にあるWILD RUSHにも通じつつも、これまでのT.M.Revolutionの曲の気配を感じるところがあって、聞いていて野性味溢れる歌で熱くなれて大好きです。

 

やはりここは作詞:井上秋緒作曲:浅倉大介そしてそれを唯一無二で歌い上げるアーティスト西川貴教T.M.Revolutionではこの柱が3本統一されて、そして’X'masに来るまでの曲たちがあって、独特の景色が見えると個人的に感じています。

一方でこの曲の中の各シーンに注目してみると、クリスマスあちらこちらで沢山の物語があるんだろうな?という風景だったり、恋に落ちるとどうなるのかみたいな。様々な物語をイルミネーションで上手く華やかに魅せている唄のような気がします。

イルミネーションといっても、単に飾るという意味合いもありつつも、一方では蝋燭の炎のように静寂にあらわれるような静かな熱さの両方を併せ持つところに惹かれます。

 

個人的に、一番好きなところは冒頭から堕天使は ”恋に遊ぶ” があり、最後に聖なる天使のあやまちよ ”奇跡になれ” に変わるところが凄いと思っています。何かが終わって始まるという所が、見ようによってはラストが新たな始まりで巡っているようにもとれるところがなんとも絶妙。

クリスマスにおける恋に揺れる人と鐘の音を抽象的に表現しつつそれでいて、無音のはざまに差し込む”奇跡になれ”にこめられる強さが揺るがない姿は最高です。